前日に朝ご飯を少々食べ過ぎた(Tortilla de patatasとChurros con Chocolateを二人で半分づつ)反省を活かし、今回は朝ご飯をTortilla de patatasだけにしていざAkelareへ。
公共交通手段で行けるところは公共交通手段で、がモットーの我が家なので、今回もバスに乗って向かいます。
Akelareまではサンセバスチャンの中心地から16番のバスで約30分です。
Akelareは景色が綺麗と聞いたので、当初からここはランチで訪れようと決めていたのですが、当日の天気は雨のち曇り。。
バスには他の乗客も乗っていましたが、最寄りのバス停で降りたのは我々だけ。
(きっとAkelareに来るような人はタクシーか車で来るのだと思われます)
辺りは霧がかっていて人っ子一人見当たらず、不安になりつつGoogle Mapを頼りにAkelareを目指します。
歩道もないような道路を少し歩いた先にAkelareの看板を見つけ一安心。
敷地内を進んでいくと、建物の入り口が。
ランチの予約は13時だったのですが、少し早めに着いたため、ホテルのロビーで待たせてもらいました。
(こちらはホテル内にレストランが併設されています。)
ホテルなので受付の方も英語を話してくれるのですが、つい”Hola”と声をかけたため、何やらスペイン語で返され、とりあえず”Bien.”と返事をしたら、どうやら”Buenos Dias.”(Good morning)と言っていたようで、ヘンテコな返答になっていた様子。。
スペイン語でこれ以上の会話はできないので、英語でレストランの予約がある旨を告げると、ロビーか地下のバーで待つことができるということで、我々はロビーでのんびりさせてもらいました。
そして13時のオープンと同時にレストランへ。
案内されたのは、窓辺に面した景色が最高に楽しめるであろうテーブル席。
しかし残念ながら本日の景色はこちら。
真っ白。。。何も見えない。。。
しかし本日のメインは景色ではなく料理!
料理だけで充分楽しめるはず、と言うことで、本日のテイスティングメニューはこちら。
ARANORIとBEKARKIという内容の異なるテイスティングメニューがあったため、彼がARANORI、私がBEKARKIを頼むことにしました。(€240 per person, VAT included)
アミューズは両コースとも共通。
バターに山羊の絵が描いてあるのは、アケラレというレストランの名前が魔女の集会が開かれる場所(Witches’ Sabbath)を意味するバスク語で、Witches’ Sabbathはヤギが主宰すると言われていたことに由来するそうです。
ちなみにこちらのバター、ゴートチーズの味がして、脂っこさがなく美味しかったです。
ここからは彼の注文したARANORIのコースです。
一品目のアンチョビ、今までアンチョビと言えば塩漬けのものしか食べたことがありませんでしたが、こちらのアンチョビはそのまま調理されていてとても美味しい。横についている皮を揚げたものも美味しい。
二品目のこちら、見た目は面白いのですが、一体感を感じられず。。(下のハムが塩っぱい)
三品目の海老しか使っていないというリゾットのような一品は、濃厚な海老の旨みを存分に味わうことができ、彼も大絶賛。
こちらはウェイターさんが”Salt and Pepper”をかけますね、と言いながらフォアグラにたっぷりの”Salt and Pepper”をふりかけ。
一口食べるとquotation markの理由がわかる、演出と見た目が面白い一品でした。
そして味もとても美味しい。
お次はメルルーサ(Hake)。他のお店でもよくメルルーサを見かけましたが、この辺りでよく捕れるのかな。
このオイスターリーフ、その名の通り食べたら本当にオイスターの味がして驚きました。
こんな植物があるんですね。
次のイカ、イカ、タコが競演する一品はあまり美味しさがわからず。
(CuttlefishとSquidは正確にはツツイカとコウイカ、ということらしい)
メインはピジョンと牛肉の二択でしたが、前日ピジョンを食べたからか、彼は牛肉を選択。
こちらは想像通りの味。
ジントニックをお皿で、という面白いデザート。
彼曰く、コンセプトは面白いけれど、本物のジントニックとは少し違う、と。
二つ目のデザートは焼き菓子とココナッツアイスムース。
元となっている焼き菓子を知らないので、どうアレンジされているのかもよくわからず。。
ここからは私の注文したBEKARKIのコースです。
一品目はHuelva shrimp。あまり記憶に残っておらず。。
奥にあるのはBrothのようなものだったかな。
二品目は非常に上品なお野菜達。と思いきや、サプライズが隠れていました。
味も量も上品でしたが、少し物足りなさを感じてしまいました。
三品目のロブスターサラダ。
ロブスターは外れない食材とのイメージですが、うーん、そこまで感動はせず。
こちらは”Kokotxa”というバスク地方の郷土料理をもとにしているとのことですが、そもそも”Kokotxa”を食べたことがないのでどうアレンジされているわからず。。
でも優しい味で美味しかったです。
個人的にシーバスはあまりテンションの上がる食材ではないのですが、これはとても美味しかった!
昆布締めのような、少しねっとり感のある食感。
続いてはヒラメ。お魚が続きますが、こちらもプリプリで美味しかったです。
骨を揚げて装飾しているのが面白い。
何と言っても満場一致(私と彼の総勢2名ですが)で一番美味しかったのはこちらのイベリコ豚!
彼も自分の牛肉をこのイベリコ豚に変えて欲しい、なんて呟いていました。
スペインでイベリコ豚なんて直球すぎるかしら、なんて思いましたが、頼んでよかった!
Presaという肩肉のようですが、とても柔らかく、味付けも絶妙で、感動。。。
付け合わせは三種のニンニク。
ニンニクには悪いですが、もうイベリコ豚が美味しくて、あまり覚えていません。
デザート一品目はシープミルクのデザート。
甘過ぎず、デザートというよりチーズを食べている気分。
最後は揚げた”Frantxineta”。”Frantxineta”はSan Sebastian発祥のお菓子ですが、フランス菓子の”Frangipane”と似たものらしい。
ただ、どちらもよくわかっていないので、とりあえず美味しく頂きました。
こちらは最後のPetit fourと追加で注文したお茶です。
食事を楽しんでいる間に、少しだけ雲が薄くなって海が見えました。
アットホームさを感じる一軒家レストランのArzakと違い、Akelareはホテル内にあるからか、いわゆる高級レストラン感が強め。
でもランチだったからかカジュアルめな服装の方もいて、肩肘張らず食事を楽しむことができました。
こちらでもお会計をする頃には4時近くで、かなりのゆっくりランチ。
Akelareでも帰り際に本日のメニューを頂いたので、家に帰ってきてからパシャリ。
総じて、Akelareは遊び心を感じられる料理が多く、きっとシェフは小さい頃「食べ物で遊んではいけません」と言われたことの反動で今料理で遊んでいるのかな、なんて。(完全に妄想ですが)
両コースの中で一番印象に残っているのはやはりイベリコ豚で、あれはもう一度食べに行きたい。
ちなみに、今回のスペイン旅行で一番美味しかった一品かもしれない。
そして次回は晴れている日に来て景色も楽しみたいです。
Akelare
Padre Orkolaga Ibilbidea, 56, 20008 Donostia, Gipuzkoa, Spain